伝統醸造のちから
2017年6月28日
現代では健康のために塩分を気にされている方がたくさんいます。国の定める摂取基準もだんだんと厳しくなっていますね。そこで生まれたのが減塩醤油です。
食塩が通常の醤油の半分(9%)以下のものを減塩醤油と呼びます。醤油の醸造工程では、大豆や小麦を長期間腐らせないようにするために大量の塩が必要となるため、通常通り醤油を作った後で、食塩を除去して減塩醤油は作られています。
健康的な醤油としてまず減塩醤油が浮かぶという人も多いのではないでしょうか?
先日ある方に食塩7%の速醸でつくられた減塩醤油と、伝統製法でつくられる食塩16%の醤油では、後者のほうが血圧を上げないという話をお聞ききしました。
塩はそのままだと人間にとってとてもきついものです。私は本来醤油醸造とは塩を安全に体内に取り込むための技術だったのではないかとも思っています。
長期間たくさんの微生物の代謝活動にさらされ、高血圧を予防するペプチドや抗酸化作用のあるメラノイジンという物質の働きもあり、塩もやさしいものに変わっているのです。作り方が変わってしまったから、わざわざ後から塩を取り除かなくてはいけなくなったのですね。
このように日本の麹を使い伝統の製法で長期間発酵・熟成させる調味料には、様々な人の体に良い作用を持っていました。日本の調味料のすごさは麹を使い発酵させることにあります。こんな高度な技術は他の国にはありません。
麹は分解するちからです。カロリーも分解しますし、有害物質も排出する体を作ります。日本人の長寿の秘訣は伝統の発酵調味料にあったのではないでしょうか。
日本人は昔ながらの製法でちゃんと作られた調味料を選んで使っていれば、高いお金を払ってサプリを飲む必要もないのかもしれません。
昨日の日経新聞にも少し記事を載せていただいています。引き続き応援よろしくお願いいたします。